Alteryx 2023.1 新機能:Designer Desktopのコントロールコンテナツールを試してみた – Alteryx Inspire 2023
こんにちは、スズです。
現地時間の2023年5月22日(月)~5月25日(木)に、ラスベガスにてAlteryx Inspire 2023が開催されました。Alteryx Inspire 2023で開催された様々なセッションの中に、『Designer Features You May Have Missed』(見逃しているかもしれないAlteryx Designerの機能)というセッションがありました。当該のセッションについては以下の記事でご紹介しています。
本記事では、『Designer Features You May Have Missed』のセッションにて紹介されたコントロールコンテナツールについてご紹介します。
コントロールコンテナツールのご紹介
概要
コントロールコンテナツールは、ツールが実行される順序を制御することができる機能で、バージョン2023.1で実装されました。
この機能は、2015年にAlteryx Communityに投稿されたアイディアが元になっています。多くの賛同を集めたアイディアが、待望の実装となりました。
コントロールコンテナツールについて、リリースノートでは以下の3つの使い方が紹介されています。この3つの使い方を見ていきます。
- ツールの実行順序の制御
- 条件付きでの実行
- ログの出力
ツールの実行順序の制御
コントロールコンテナツールを使うことで、ツールの実行順序を制御することができます。まずは、コントロールコンテナツールを使っていない場合の動作を見てみます。以下のワークフローでは、データ出力ツールを2つ使用しています。1つ目のデータ出力ツールで新しくExcelファイルを作成してデータを出力し、2つ目のデータ出力ツールでは1つ目のデータ出力ツールで作成したExcelファイルに新しいシートを作成してデータを出力します。
データ出力ツールの設定は以下のようになっています。こちらは1つ目のデータ出力ツール。
こちらは2つ目のデータ出力ツールです。
コントロールコンテナツールを使わない状態でワークフローを実行すると、2つ目のデータ出力ツールでの処理がエラーとなります。
このワークフローに対してコントロールコンテナツールを使ってみます。2つのデータ出力ツールをコントロールコンテナに入れ、1つ目のデータ出力ツールを入れたコントロールコンテナから2つ目のデータ出力ツールを入れたコントロールコンテナに接続します。
この状態でワークフローを実行すると、正常に終了しました。ワークフローのメッセージを確認すると、コントロールコンテナツールの有効化と完了というメッセージが記載されています。コントロールコンテナツールの接続順に従って、コントロールコンテナ内のツールが実行されています。
データ出力ツールでデータを出力したファイルを確認すると、2つのシートにデータが出力されていることが確認できました。
条件付きでの実行
コントロールコンテナツールは、接続元のツールの出力アンカーからデータを受け取った際に、コントロールコンテナ内のツールを実行します。フィルターツールとコントロールコンテナツールを組み合わせることで、フィルターツールに設定した条件に一致したか否かによってコントロールコンテナ内のツールを実行するか否かを制御できます。
以下のワークフローでは、フィルターツールのTrueの出力アンカーからコントロールコンテナツールに接続しています。フィルターツールの条件に一致したレコードがある場合はコントロールコンテナ内のツールが実行されることとなります。このとき、フィルターツールからコントロールコンテナ内のツールに接続している必要はありません。以下の例では、コントロールコンテナ内にテキスト入力ツールとメッセージツールを配置し、フィルターツールからは接続していません。フィルターツールの条件に一致するレコードがある状態でワークフローを実行すると、メッセージツールに設定したメッセージが出力されます。
フィルターツールの条件に一致するレコードがない状態でワークフローを実行すると、メッセージツールに設定したメッセージは表示されていません。コントロールコンテナ内のツールは実行されていないということとなります。
ログの出力
コントロールコンテナツールの出力アンカーから他のツールに接続すると、コントロールコンテナのログをデータとして使うことができます。出力されるログの内容は、出力アンカーや閲覧ツールの結果ウィンドウで確認できます。
コントロールコンテナツールの出力アンカーからデータ出力ツールに接続し、ログをファイル出力する、といったことも可能です。
最後に
Alteryx Designer 2023.1の新機能、コントロールコンテナツールについてご紹介しました。